特許翻訳トライアルその22013年04月06日 16:36

今回は特許翻訳トライアルのその後の進展に関するお話です。

以前に、5つめのE社(中規模翻訳会社)のトライアルに応募していることをお知らせしました。本件のトライアルは、合否に拘わらず書面にて結果が通知されることになっており、首を長くしてその結果を待っていました。トライアル解答から2ヶ月弱経過したところで、先方からの封書が届きました。手に持った感触では、若干厚みの感じられる封筒であったので、ひょっとすると良い知らせかも知れないと思い、開封したところ、予想通り、合格通知(応募した4つの分野全て:化学およびバイオの英文和訳と和文英訳)と登録用書類が入っておりました。これまでトライアルは5回挑戦しているので、現時点における戦績は23敗となりました。

今回の勝因については、自分自身で勝手に推測する他、手立てが無いので、いろいろ考えてみた結果、(1)応募した翻訳会社が身の丈に合っていた(3敗は全て大手翻訳会社で、2勝は中規模翻訳会社)、(2)翻訳実務の経験が蓄積されてきて、翻訳レベルが若干向上した、といったことが寄与したのではないかと考えています。確かに特許翻訳者が不足しているとはいえ、実力のある翻訳者が大手翻訳会社のトライアルに多く応募してくるので、大手翻訳会社のトライアルにおける競争率と合格レベルは相対的に高くなっているのではないかと容易に想像ができます。また、最初に合格した翻訳会社から、定期的に仕事を受注して、翻訳実績を重ねてきている点も今回は無視できない要因であろうと思います。

今回の結果が不合格であった場合には、添削結果が添付されてくる有料のトライアルに応募することを考えておりましたが、方針を変更して、登録先を増やすためのトライアル挑戦として、6つめも、通常のトライアルを選択することとしました。応募先は、以前に検討した選択肢であるF社(中規模翻訳会社)を想定して準備を進めております。

いつものように、運動不足を解消するため、散歩をしていたら、ソメイヨシノなどの桜は既にあらかた散ってしまいましたが、開花時期が遅くしかも比較的長く咲いているので有名な紅い桜(カンザンではないかと思われる)が見頃を迎えていました。(以下の写真をご覧下さい。)

本格的な春を迎え、特許翻訳の仕事もより一層充実させるよう、頑張っていきたいと思っています。

 

(散歩道の紅桜)

 

散歩道の紅桜

(散歩道の紅桜(拡大))

 

散歩道の紅桜(拡大)


調べ物をする図書館2013年04月14日 15:37

今回は調べ物をする図書館のお話です。

翻訳案件の訳語選択や技術背景を調べるため、良く利用しているのは、東京都立中央図書館です。(以下の写真をご覧下さい。)広尾にある有栖川宮記念公園の中に位置しており、我が家から電車で1時間余りで行けます。ここは、蔵書の数が比較的多く、開架式なので、関連する書籍を必要な数だけ手に取って内容を確認できる点が気に入っています。また、パソコン利用環境(電源供給デスク、無線LAN接続等)が整っている点も見逃せません。

先日、息子の就活用資料の検索を兼ねて、国会図書館の下見に行ってきました。(以下の写真をご覧下さい。)ここを利用するには、予め利用者登録を済ませる必要があるのですが、登録窓口は、さほど混雑していなかったので、30分ほどで手続きを終えることができました。ここでは交付された登録利用者カードにより全ての作業が制御されているのが、驚きでした。入館、蔵書検索、図書借り出し申請、コピー申請、図書返却、退館に至るまで本人の登録利用者カードをカードリーダーに差し込んで、処理していくシステムになっています。図書館側の作業進捗状況も登録利用者カードをカードリーダーに差し込んで確認することができます。ただ、各申請毎に30分程度の待ち時間が発生していたので、思いの外、調べ物に時間がかかってしまい、今後利用する場合は、かなり時間の余裕を見込んでおく必要があると感じました。

検査等で良く利用している横浜市立大学医学部付属病院の隣に医学情報センター(図書館)があることに気づき、この間、同センターの見学をしてきました。(以下の写真をご覧下さい。)ここは、開架式で、医学や生化学分野の図書、雑誌、論文等が数多く所蔵されているので、利用価値の高い施設であると判断しました。特に、我が家から40分程度(door to door)で行くことができ、場合により、図書の借り出しも可能(2冊、2週間)である点が、魅力的です。

これからは、上記の図書館の特徴を考えて、以下のように利用していきたいと考えています。

翻訳案件が医学や生化学分野である場合は、まず医学情報センターに行き、その他の分野であれば、都立中央図書館に行って調べる。

事前のネット検索等によって調査対象の書籍が判明していて、都立中央図書館や医学情報センターの蔵書にない場合は、国会図書館に行く。

 

(都立中央図書館)

 

都立中央図書館

(国立国会図書館)

 

国立国会図書館

(横浜市立大医学情報センター)

横浜市立大医学情報センター

 

称名寺薪能2013年04月18日 15:39

今回は称名寺薪能に関するお話です。

今年も称名寺薪能の開催が近づいてきました。称名寺は北条実時が開基した真言律宗の寺で、関東最大の仁王像(金剛力士像)と阿字ヶ池と呼ばれる浄土式庭園が有名です。梵鐘は金沢八景の一つで「称名の晩鐘」として知られています。称名寺の境内で篝火に照らされながら演じられる能と狂言は、一度観賞すると病み付きになること請け合いです。偶然その存在を知ってから、一昨年、昨年と2年連続で妻と一緒に観賞してきました。

今年の開催内容は、金沢区観光協会のHPによると以下の通りになっています。

(引用ここから)

金沢の春の風物詩 今年で16回目を迎える称名寺薪能

~称名寺浄土式庭園を背景に演じられる幽玄な世界をお楽しみ下さい~

日時:56日(月祝)16:30開場17:30開演

会場:称名寺境内※雨天の場合、金沢公会堂 第一回開演17:30 第二回開演19:30

演目:『金沢猩々』かねさわしょうじょう(以下の写真をご覧下さい。)

金沢の海に住むというお酒の精「猩々」と村人が浜辺で繰り広げる友情の物語。第5回に何百年も上演されなかった演目を再演。今回はさらに特殊演出で上演します。

『苞山伏』つとやまぶし

薪取りの途中で居眠りした山人、通りかかった山伏も歩き疲れて寝込む。そしてもうひとりの男が山人の弁当(苞)を平らげ寝込む。3人の顛末が愉快な狂言。

出演/能  櫻間 右陣(シテ方 金春流)

   狂言 野村 萬斎(狂言方 和泉流)

入場料/S席:5,000円(前売指定席)、A席:4,500円(前売指定席)、自由席:4,500円(当日券)

(引用ここまで)

今年も前売り券を入手すべく、発売開始時刻330日(土)10時にチケットぴあにアクセスしましたが、アクセス集中のため購入手続きに入れぬ内にあっと言う間に完売になってしまいました。翌日、仕方なく、金沢区公会堂に朝早く出かけて購入しようとしたところ、前日で全ての前売り券は完売しましたの貼り紙が掲示されていました。昨年までは、何とか前売り券が入手できていたのですが、今年は、市長を始め関係者のPRが最大限に効いたためか、完全に入手困難なプラチナチケットと化していました。金沢区民としては、称名寺薪能の認知度が上がるのは嬉しいのですが、前売り券が入手困難になるのは、非常に残念です。残された道は、当日券の購入のみですが、家事万端整えて、早い時間から妻と出かけても、入場できる保証も無いので、どうしようか悩んでいます。無駄足になるのを覚悟して出かけるのは、究極の選択になります。

昨年、入場したときのライトアップされた称名寺を示します。(以下の写真をご覧下さい。)薪能の舞台は浄土式庭園の左脇広場に設営され、二つの篝火が映し出す演目は、暫し時の流れを忘れさせ、鎌倉時代にタイムスリップしたかのような不思議な感覚に誘います。昨年の演目は、能が『土蜘』(つちぐも)で、狂言が長光(ながみつ)でした。(以下の写真をご覧下さい。)

今年は、薪能を観賞できるかどうか分かりませんが、来年は必ず事前準備を怠らずに、一番可能性の高い前売り券入手方法に賭けてみようと考えています。

 

(『金沢猩々』かねさわしょうじょう)

 

『金沢猩々』かねさわしょうじょう

(昨年の称名寺薪能夜景)

昨年の称名寺薪能夜景

 

(昨年の『土蜘』つちぐも)

昨年の『土蜘』つちぐも

 

(注:薪能夜景以外の写真は、金沢区観光協会のHPから入手したものです。)

特許翻訳業界の背景知識2013年04月24日 14:34

今回は特許翻訳業界の背景知識(情報源)に関するお話です。

特許翻訳を業とする場合、業界事情を予め調べることは必須であると思いますが、どこをどのようにサーチしていけば良いのか誰もが最初は試行錯誤するのではないでしょうか?ここでは、私にとって非常に参考になった情報源を今流行のランキング形式で紹介します。順位、情報源の名称、情報提供者(ニックネーム等を含む)、情報源の種別、役に立った情報という項目で示します。

【1】外国語と文書作成&翻訳の情報源、水野麻子さん、ウェブ情報、特許翻訳の考え方を初めとするスキルアップ全般の情報

【2】Buckeye the Translator、井口耕二さん、ウェブ情報、プロ翻訳者を対象にした記事(翻訳品質、単価、営業力、市場価値、翻訳マーケットなど)

【3】徒然知財時々日記、suzuki_toshiさん、ウェブ情報、特許事務所および弁理士事情

【4】求人スクエア、パテントサロンさん、ウェブ情報、特許事務所や企業知財部などの求人情報(翻訳者も含まれる)

【5】翻訳機関・求人サーチ、スペースアルクさん、ウェブ情報、在宅特許翻訳者の求人情報

【6】特許・知財分野の求人情報 × 翻訳・通訳・語学スペシャリスト、翻訳者ディレクトリさん、ウェブ情報、在宅特許翻訳者の求人情報

【7】特許翻訳-在宅翻訳者の仕事術、星野陽子さん、ウェブ情報、トライアルに関する記事

【8】特許翻訳のプロが教える翻訳を仕事にする99の方法、河崎有美さん、ウェブ情報、トライアルに関連する記事

【9】特許翻訳をめぐって、ホジャさん、ウェブ情報、特許翻訳に関する問題提起

【10】特許事務所年鑑2012、アップロード社、書籍情報、2011年発行の特許公開公報に掲載された約31万件の出願データを集計したもので、「企業がどこの特許事務所に依頼しているか」「特許事務所はどの企業を担当しているか」がひと目でわかる。(以下の写真をご覧下さい)

 

(特許事務所年鑑2012

 

特許事務所年鑑2012


インドの治安状況2013年04月29日 16:52

今回はインドの治安状況に関するお話です。

すでに黄金週間に突入していますが、海外旅行先として、インドは独特の魅力があるとの理由で出かける人も少なくないと聞きます。しかし、42日の産経ニュースの記事によれば、治安の悪化から最近特に観光客が減少しているそうです。

(引用ここから)

インド商工会議所連合会はこのほど、昨年12月中旬からの3カ月間で、同国への女性の外国人観光客が前年同期に比べ、35%減少したとする調査結果を明らかにした。昨年12月にニューデリーで起きた女子学生に対する残虐な集団レイプ事件から「治安が悪い」「危険」などのイメージが広がり、敬遠されたとみられる。男性を含めた外国人観光客全体でも25%減だった。インドで冬季は観光シーズン。観光産業に大きな打撃となりそうだ。

調査は1200社の観光業者が対象。72%が欧米などから女性客のキャンセルがあったと答えた。会議所は「外国人のインドに対するイメージを改善しなければならない」と強い危機感を示している。

昨年12月の事件後もインドではレイプ事件が相次いでいる。外国人でも、夫と旅行中のスイス人女性がレイプされたほか、危険を感じた英国人女性が逃げるためにホテルの窓から飛び降りてけがをした。

(引用ここまで)

外務省の渡航先安全情報(海外安全ホームページ)によれば、20081126日、ムンバイ市内の最高級ホテルや中央駅、病院、レストラン等十数か所がイスラム・テロリストによる襲撃(銃の乱射や手榴弾の投擲等)を受けるというムンバイ連続テロ事件が発生し、日本人1人を含む160人以上が死亡し、300人以上が負傷する大惨事となっています。また、一般の旅行者を狙った犯罪も多発しており、日本人が巻き込まれるケースで多いのが、以下の代表的な2つの事件です。

(1)悪質なタクシーやオートリキシャ、旅行会社による詐欺

空港や駅に着いた旅行者に声をかけ、知り合いの旅行業者へ連れて行って法外な値段でツアーに参加させるケース、カシミール等の観光案内をしてあげると言って遠隔地に連れて行って法外な料金の支払いを強要して支払うまで軟禁する等のケースがある。

(2)睡眠薬強盗

駅や列車内、又は、観光地等で片言の日本語を使い親切を装って声を掛け、その場で飲み物(チャイ(紅茶)やジュース等)や食べ物(クッキー、ビスケット、アイスクリーム等)を勧める。犯人は旅行者がこれを飲食し、昏睡状態に陥ったところで金銭等、貴重品を奪う。

5年ほど前に、民間石油会社を訪問調査するため、ムンバイに出張したことがあります。事前に渡航経験者からアドバイスを受け、宿泊するホテルは、充分なセキュリティー対策を施している高級ホテル、移動手段はホテルで手配したハイヤー(一日貸し切り)としました。オートリキシャ(三輪タクシー)は、数多く見かけますが、利用するのは上述のような危険が付きまといます。(オートリキシャは、以下の写真をご覧下さい。)

ハイヤーで移動中見かけたのは、交差点で物乞いする赤ちゃんを抱えた女、新聞を押し売りする少年、勝手にブラシで車の窓を拭いて料金を請求する男などでした。

ムンバイ空港に着陸するときも、都市を取り囲む巨大なスラム街が異様な光景となって眼前に迫ってきたのにゾッとしたことを思い出しました。

インドでは、身分制度(カースト)が色濃く残っており、貧富の格差は、想像以上に厳しく、アカデミー賞最多部門受賞の映画、スラムドッグ$ミリオネアに描かれているように、貧困から抜け出すのは、容易なことではありません。

基本的に治安の良い日本は、世界基準では例外的な存在です。疲れたサラリーマンが財布や貴重品を盗まれることもほとんど無く、電車内で居眠り出来る国は、世界中で日本ぐらいではないでしょうか。諸外国、特に途上国においては、治安が良くない場所が非常に多いので、警戒レベルを一段と引き上げて物事を判断することが肝要です。

外国に行く場合、最初にチェックすべきは、治安情報で、旅行ガイド本の安全対策情報、外務省の渡航先安全情報などは必須の確認項目です。私の感覚としては120%過剰に対応して普通ではないかと考えています。

 

(インドの格安タクシー:オートリキシャ)

 

インドの格安タクシー:オートリキシャ


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