「異字同訓」の漢字の使い分け ― 2014年03月23日 15:34
今回は「異字同訓」の漢字の使い分けに関するお話です。
文化庁は、先月、常用漢字表にある漢字で、同じ訓読みでも、字によって意味が異なる「異字同訓」の使い分け例をまとめて発表しました。
全部で133項目の訓を紹介しています。(記載例は以下の写真をご覧下さい。)
例えば、「あう」という訓では、「会う」は「主に人と人が顔を合わせる」、「合う」は「一致する。調和する。互いにする」、「遭う」は「思わぬことや好ましくない出来事に出くわす」と意味を示しています。
英文和訳の特許翻訳をする際に、適切な日本語の訳語を選定するうえで、異字同訓の知識は不可欠であると思います。おかしな日本語の使用を避けるためにも、この資料を一読しておくことを勧めます。
今回の発表内容の中から、気になった使い分け例をいくつか紹介します。
[以下に抜粋した内容を示します。]
【作る】語義:こしらえる。
用例:米を作る。規則を作る。新記録を作る。計画を作る。詩を作る。笑顔を作る。会社を作る。機会を作る。組織を作る。
【造る】語義:大きなものをこしらえる。醸造する。
用例:船を造る。庭園を造る。宅地を造る。道路を造る。数寄屋造りの家。酒を造る。
【創る*】語義:独創性のあるものを生み出す。
用例:新しい文化を創(作)る。画期的な商品を創(作)り出す。
*一般的には「創る」の代わりに「作る」と表記しても差し支えないが、事柄の「独創性」を明確に示したい場合には、「創る」を用いる。
【溶かす・溶く・溶ける】語義:液状にする。固形物などを液体に入れて混ぜる。一体となる。
用例:鉄を溶かす。雪や氷が溶(解)ける*。チョコレートが溶ける。砂糖が水に溶ける。絵の具を溶かす。小麦粉を水で溶く。地域社会に溶け込む。
*「雪や氷がとける」の「とける」については、「雪や氷が液状になる」意で「溶」を当てるが、「固まっていた雪や氷が緩む」と捉えて「解」を当てることもできる。「雪解け」はこのような捉え方で「解」を用いるものである。
[引用ここまで]
今回の異字同訓の使い分け例は、文化庁のホームページ
(http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/bunkasingi/pdf/ijidoukun_140221.pdf)で公開されています。
(異字同訓の一例)
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