カタログや技術資料の翻訳2013年12月01日 18:07

今回は、カタログや技術資料の翻訳に関するお話です。

2ヶ月ほど前から、外資系の科学機器販売会社に雇われ、分析業務を行っています。実際には、分析装置を操作して、粉体や膜などの物性(細孔分布等)を測定する仕事です。測定業務の他に、製品カタログや技術資料を翻訳する仕事(英文和訳)が発生することもあります。

翻訳原稿はPDFファイルで提供されることが多く、その場合にはPDFファイルをwordファイルに変換する必要が出てきます。そこで使用するのが、いわゆるOCRソフトです。数年前までは、AIソフトのワンタッチOCR Ver.3 for ExcelWord(ダウンロード版)を使用していましたが、かなり年数が経過した関係で、サポート終了となったため、新規に「読取革命Ver.15」というOCRソフトを昨年購入しました。(以下の画像をご覧下さい。)販売元のパナソニックによる紹介内容は、次のとおりです。【「読取革命Ver.15」は、紙文書を編集可能な電子データに変換するOCRソフトウェアです。用途に合わせて紙文書やPDFファイルを同じレイアウトのまま、WordExcelPowerPointなどのファイル形式に変換できるため、資料作成業務の効率化、既存文書の電子化(ペーパーレス化)や二次活用に貢献します。新バージョンでは、わかりやすい画面表示と操作方法でどなたでも簡単に使えるように操作性を向上するとともに、より高精度な文字認識を実現するために認識対象文字を拡張し、すべての日本語第二水準漢字3,388文字に対応しました。】

読取革命Ver.15を用いてカタログなどのPDFファイルをwordファイルに変換したところ、簡単設定では、綺麗に写真やグラフが取り込めませんでした。詳細に条件設定すれば、望ましい品質で変換ができるのでしょうが、時間の制約があったので、そのままで利用することにしました。写真や文章が混在した比較的容量の大きいファイルに対して、編集作業を行うとカーソルの応答が遅くなるので、テキストボックス内の文章をコピーして、秀丸エディターに貼付して作業しましたが、その方が格段に効率的でした。翻訳した文章は、後で対応するwordファイル内のテキストボックスに貼り付けました。

今回、カタログなどの技術資料を翻訳して実感したのは、特許翻訳と違った視点で行う必要があったことです。特許翻訳では、日本語として不自然な表現であったとしても、原文の意味合いを忠実に訳出することが求められますが、カタログなどの翻訳では、顧客思考の表現が重要視されます。読み手は、誰なのか明確に意識して翻訳しなくてはいけません。科学機器を購入する顧客は、どちらかというと分析業務に通じた技術者であることが多く、そうした読み手を想定して専門用語を適切に使用することが求められます。しかし、機器購入の決定権を有する人は、必ずしも技術系の人とは限らないので、出来るだけ平易な表現をすることも要求されています。そのような事情を考えてバランスの良い説明にする必要があります。そもそもカタログは、販売しようとする製品の特徴を説明し、顧客の購入意欲を喚起する目的で作成されるものなので、そうした顧客の意向に沿った表現が充分なされているかどうかが問われています。

 

 

(読取革命Ver.15

 

読取革命Ver.15


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