SOHOのBCP ― 2013年03月05日 18:03
今回はSOHOのBCPに関するお話です。
因みにSOHO とは、Small Office/Home Officeの略で、言葉の定義は正式に確立されていませんが、「パソコンなどの情報通信機器を利用して、小さなオフィスや自宅などでビジネスを行っている事業者」といった意味合いで使用されることが多い言葉です。また、BCPとはBusiness Continuity Planの略で、災害や事故など不測の事態を想定して、事業継続の視点から対応策をまとめたものを意味します。従って、今回のお話は、煎じ詰めれば、「いかなる場合でも仕事を続けるにはどうするか」といった内容になります。
特許翻訳の仕事を遂行する上で重要な視点として、納期の厳守があります。通常は、本人の自覚と責任の問題と捉えられますが、突発的な事象(例えば、大きな地震、長時間の停電、落雷等)が発生した場合は、本人の自覚だけでは対応できないのは自明です。事前の対応策を準備しておくことが重要と考えられます。
私は、突発的な事象が発生した場合でも、業務を遂行できるよう、翻訳環境の二重化を実施しています。通常は、自宅のデスクトップパソコンと光回線により、翻訳作業と受注・納品のメール連絡を行っていますが、停電時には、どちらも使用不能になるので、バッテリー駆動のノートパソコンにデスクトップパソコンと同じ作業環境(Microsoft Word、秀丸エディター、辞書類、メールソフト、インターネットエクスプローラー等)を入れています。ノートパソコンの購入にあたっては、バッテリー駆動時間を最重要の評価項目とし、結果として、東芝のdynabookを選択しました。(写真をご覧下さい。)このノートパソコンの仕様で注目すべきは、以下の2つの項目です。(1)バッテリー駆動時間:13時間(標準バッテリー)+18時間(オプショナルバッテリー)=31時間(カタログ値、実働時間はカタログ値の70%として、約21時間)、(2)ネット接続:公共のWiFiスポットに移動して、ネット接続可能。(WiFi接続追加料として契約プロバイダーに毎月300円支払い。特許翻訳講座を受講している桐蔭横浜大学において、ネット接続とメール送受信機能を確認済み。)翻訳環境の二重化に伴い、データの同期が不可欠になりますが、1日に1回、メールデータおよび翻訳関係ファイルフォルダーの同期作業(デスクトップパソコンからノートパソコンへコピー)を実施しています。
また、地震や落雷といった事象に対しても、可搬性のあるノートパソコンならば、簡単に持ち出しが出来ると考えています。我が家では、5年ほど前に落雷の被害を受けており、そのときは、受話器、TVアンテナ回線分配器、雨戸代わりのシャッターの電動装置が損壊しました。パソコンは、電話線を利用するADSL回線ではなく、ガラス繊維(光ファイバー)を利用する光回線だったので被害を免れました。ご近所のパソコンはADSL回線だったため、軒並み被害を受けたと聞きました。
翻訳作業中に予期せぬパソコントラブル(パソコン本体のフリーズや作業ファイルの消失など)が発生した場合に、被害を最小限に食い止めるため、ファイルの随時保存(約1時間に最低1回の保存操作)を心がけています。今までにも、突然のファイル消失で作業時間を大幅にロスした経験があり、予防するに越したことはないと考えています。随時保存には、パソコンに内蔵のHDDはもちろんUSBメモリーにも保存します。そして、1日の作業終了時には、当日の作業ファイル全てを、外付けのポータブルHDD(記憶容量1テラB)に保存します。(写真をご覧下さい。)また、1週間に1回程度の頻度で、その週に作業した全ファイルをネットワーク接続ストレージ(3テラBの外付けHDD、ミラーリング設定、内蔵のHDDユニット2台が同時に損傷しない限りデータはアクセス可能)に保存します。(写真をご覧下さい。なお、左側の装置は、無線LANルーターでネットワーク接続ストレージが接続されています。)
(ノートパソコン:東芝のdynabook)

(ポータブルHDD とUSBメモリー)

(ネットワーク接続ストレージと無線LANルーター)

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