インドの治安状況 ― 2013年04月29日 16:52

今回はインドの治安状況に関するお話です。

すでに黄金週間に突入していますが、海外旅行先として、インドは独特の魅力があるとの理由で出かける人も少なくないと聞きます。しかし、4月2日の産経ニュースの記事によれば、治安の悪化から最近特に観光客が減少しているそうです。

(引用ここから)

インド商工会議所連合会はこのほど、昨年12月中旬からの3カ月間で、同国への女性の外国人観光客が前年同期に比べ、35%減少したとする調査結果を明らかにした。昨年12月にニューデリーで起きた女子学生に対する残虐な集団レイプ事件から「治安が悪い」「危険」などのイメージが広がり、敬遠されたとみられる。男性を含めた外国人観光客全体でも25%減だった。インドで冬季は観光シーズン。観光産業に大きな打撃となりそうだ。

調査は1200社の観光業者が対象。72%が欧米などから女性客のキャンセルがあったと答えた。会議所は「外国人のインドに対するイメージを改善しなければならない」と強い危機感を示している。

昨年12月の事件後もインドではレイプ事件が相次いでいる。外国人でも、夫と旅行中のスイス人女性がレイプされたほか、危険を感じた英国人女性が逃げるためにホテルの窓から飛び降りてけがをした。

(引用ここまで)

外務省の渡航先安全情報(海外安全ホームページ)によれば、2008年11月26日、ムンバイ市内の最高級ホテルや中央駅、病院、レストラン等十数か所がイスラム・テロリストによる襲撃(銃の乱射や手榴弾の投擲等)を受けるというムンバイ連続テロ事件が発生し、日本人1人を含む160人以上が死亡し、300人以上が負傷する大惨事となっています。また、一般の旅行者を狙った犯罪も多発しており、日本人が巻き込まれるケースで多いのが、以下の代表的な2つの事件です。

(1)悪質なタクシーやオートリキシャ、旅行会社による詐欺

空港や駅に着いた旅行者に声をかけ、知り合いの旅行業者へ連れて行って法外な値段でツアーに参加させるケース、カシミール等の観光案内をしてあげると言って遠隔地に連れて行って法外な料金の支払いを強要して支払うまで軟禁する等のケースがある。

(2)睡眠薬強盗

駅や列車内、又は、観光地等で片言の日本語を使い親切を装って声を掛け、その場で飲み物(チャイ(紅茶)やジュース等)や食べ物(クッキー、ビスケット、アイスクリーム等)を勧める。犯人は旅行者がこれを飲食し、昏睡状態に陥ったところで金銭等、貴重品を奪う。

5年ほど前に、民間石油会社を訪問調査するため、ムンバイに出張したことがあります。事前に渡航経験者からアドバイスを受け、宿泊するホテルは、充分なセキュリティー対策を施している高級ホテル、移動手段はホテルで手配したハイヤー(一日貸し切り)としました。オートリキシャ(三輪タクシー)は、数多く見かけますが、利用するのは上述のような危険が付きまといます。(オートリキシャは、以下の写真をご覧下さい。)

ハイヤーで移動中見かけたのは、交差点で物乞いする赤ちゃんを抱えた女、新聞を押し売りする少年、勝手にブラシで車の窓を拭いて料金を請求する男などでした。

ムンバイ空港に着陸するときも、都市を取り囲む巨大なスラム街が異様な光景となって眼前に迫ってきたのにゾッとしたことを思い出しました。

インドでは、身分制度(カースト)が色濃く残っており、貧富の格差は、想像以上に厳しく、アカデミー賞最多部門受賞の映画、スラムドッグ$ミリオネアに描かれているように、貧困から抜け出すのは、容易なことではありません。

基本的に治安の良い日本は、世界基準では例外的な存在です。疲れたサラリーマンが財布や貴重品を盗まれることもほとんど無く、電車内で居眠り出来る国は、世界中で日本ぐらいではないでしょうか。諸外国、特に途上国においては、治安が良くない場所が非常に多いので、警戒レベルを一段と引き上げて物事を判断することが肝要です。

外国に行く場合、最初にチェックすべきは、治安情報で、旅行ガイド本の安全対策情報、外務省の渡航先安全情報などは必須の確認項目です。私の感覚としては120%過剰に対応して普通ではないかと考えています。

 

(インドの格安タクシー:オートリキシャ)

 

インドの格安タクシー:オートリキシャ


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